シリーズ「輝いている会員の姿」 愛知支部 中野 まこさん

「地域にこだわって生きる」
私はウルリッヒ型先天性筋ジストロフィーという難病があり、電動車いすを使い、夜間のみ人工呼吸器を使いながら、長時間見守り介助が可能な重度訪問介護を利用して自立生活をしています。大学進学を機に地元の山口県から愛知県にやってきて、大学卒業後は、障害者が主体となって障害者の自立支援や権利擁護等を行なう自立生活センターに所属し活動しています。
私は自立生活を始めて2021年4月で12年目になりましたが、それ以前は親元や、医療福祉施設での生活で、自由に外に出ることはなかなかできませんでした。自立生活を始めて、自分の生活を自分でコントロールできるということに新鮮さを感じました。介助者に思いを伝えて、着たい服を着て良いし、髪の毛を長く伸ばして良いし、ヘアアレンジもして良い。夜遅くまで友達と語り合いたいから夜更かしもして良いし、県外でのライブにだって行けるようになりました。
そんな当たり前の生活が、当たり前でなくなる怖さを感じた2020年。私たちの生活は一変しました。これまで「当たり前にある」と思っていたことが「不要不急」「自粛」などの言葉で簡単に片づけられてしまうようになりました。友達と会うのも、ライブも、研修も、面会も、何もかもがオンライン。オンラインでの活動が増えて、体力面や介助者不足の問題等から見ると、参加しやすくなった面もあるでしょう。しかし、今の騒動が落ち着いたときまでも、「オンラインでいいでしょ」というふうにならないか、私は怖いのです。会いたい人に会いに行く。そんな当たり前のことさえ奪われかねません。
「コロナ疲れ」「自粛疲れ」という言葉が報道されています。障害のある人の中には、施設入所を強いられ何十年と外の空気を吸ったことのない人もいます。週にたった数時間の訪問教育しか受けられず、きちんとした教育を受けられない子どももいます。当たり前の権利を保障されずにずっとずっと我慢し続けている人たちがいるということを、忘れてはいけないと感じました。コロナが終息したら、その人たちの生活はどう変わるのでしょう?自粛期間が終わったら、その人たちも外に出られるようになるのでしょうか?コロナ禍以前に、制限された生活をしている人たちのことに思いを馳せて、地域で生活し続けることに、改めてこだわっていかなければいけないと強く感じました。
私たちは、様々な人とつながり、今ある資源を活用し、足りないものは必要だと声をあげていく…素晴らしい力を持っています。どんなに重度な障害があっても、生活の主体者として生活していけることを多くの人たちに伝えていきたいです。