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理事長挨拶

一般社団法人 日本筋ジストロフィー協会代表理事 貝谷久宣

理事長 貝谷久宣の写真

日本筋ジストロフィー協会は、昭和30年代後半に原因不明で治療法がない筋萎縮症の子供を持つ親の集いが全国各地で催され、その新聞報道が契機となり昭和39年3月5日全国都市センターホールにて「全国進行性筋肉萎縮症児親の会」として誕生しました。それ以来、日本筋ジストロフィー協会は病因究明と治療法の開発が「一日も早く」なされるべき活動を展開してきました。

協会が創立された当初、第3代目理事長河端二男氏(在任 昭和41年~平成2年)は、活発なロビー活動で政界に働きかけ、筋ジストロフィー病棟の整備および研究班の設置を成し遂げられ、氏により日本筋ジストロフィー協会の礎が確立されました。昭和43年から厚生省の筋ジストロフィー研究班が設置され、さらに、この年に社団法人格を得ました。50年近く続いたこの研究班の業績は、日本の筋ジストロフィー研究のみでなく医学研究全般を世界のトップクラスにのし上げました。

日本筋ジストロフィー協会は、研究予算増額の要請や研究者への懇願・激励で、筋ジストロフィー研究を強力に後押ししてきました。現在、遺伝子治療と薬物療法の治験が行われ、本格的治療を目の前にし、協会のすべきことは多々あります。

福祉の面でも日本筋ジストロフィー協会は運動を展開してきました。

日本筋ジストロフィー協会の強い要請で実現した専門病棟の整備と、措置費による入院費の免除が長年なされてきました。しかし、平成17年障害者自立支援法が制定され筋ジストロフィーのみ優遇される時代は終わりました。そして、現在、筋ジストロフィーは難病の一つとして指定され、障害者総合支援法の下に福祉を受けています。この法律が施行された平成25年は、日本筋ジストロフィー協会が50周年を迎えた年でもあり、協会は名実ともに新しい時代に突入しました。

私が代表理事になり今年で8年目です。
代表理事に就任するに当たり、私は協会の基本理念として、自主、自立、自助を掲げてきました。そして、研究の促進と福祉の向上のために協会本部が努力するべきこととして4点を挙げてきました:(1)マンパワー、(2)医学・医療情報流通システム、(3)グットアイデア、そしてそれの基礎となるのが(4)豊富な資金獲得です。

私が考える協会の将来像は、「日本筋ジストロフィー協会ホールディング」です。
筋ジストロフィーの病型は臨床的には10以上、遺伝子変異からいけばさらにその種類は増えます。現在、福山型、ベッカー型、デュシェンヌ型、筋強直性ジストロフィー、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーの分科会があります。この分科会の発展をさらに向上させ、別の病型の分科会も育てていきたいと考えています。

どの病型も所謂希少疾患といわれるものばかりです。少人数の患者団体で世間に訴えてもその効果は限度があります。
各病型の筋ジストロフィー患者が合同して束になって「日本筋ジストロフィー協会ホールディングス」として世の中に訴えていけば、患者の意見もより大きなものになると考えられます。

現在日本筋ジストロフィー協会が行っている主な事業は、機関誌の発行、班研究への参加、療育キャンプ、ピア―カウンセラー養成、福山型筋ジストロフィー遺伝子の登録を主業務とする「神経・筋疾患医学情報登録・管理機構」の運営、難病に特化した大塚駅前診療所の経営などです。

現在、協会本部には常勤職員事務長1名とパート数名、あとは患者・家族会員のボランティアで運営しております。
これらの活動をさらにいっそう強力にするためにも日本筋ジストロフィー協会にはマンパワーと経済的な余裕がさらに必要な状態です。

一般社団法人 日本筋ジストロフィー協会はこれからも神経・筋疾患患者の医療と福祉の向上に向けて邁進してまいります。

皆様の心温かいご支援をお願い申し上げます。

平成29年6月1日