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シリーズ「輝いている会員の姿」 愛知支部 故・髙坂 大喜さん 

 

「2020東京パラリンピックを目指しています」

わが家の息子は、先天性福山型筋ジストロフィー患者歴21年、ボッチャ歴11年、現在は日本を代表するボッチャ競技者として活躍し、2020東京パラリンピックを目指しています。
平成7年待望の第2子が生まれ、しばらくして先天性筋ジストロフィーと診断された時は、どれほど悲しい思いをしたことか…わが子の将来を思い胸が張り裂けそうな毎日、涙に明け暮れる日々の中、主人のかけてくれた言葉をきっかけに私たち家族はようやく前を向いて歩き始めたことを今も忘れません。「大喜には障害があるかもしれない。でも彼の持っている可能性を最大限に伸ばしてやれるよう親として精一杯育てていこう!」と。
それからはその言葉通り、彼の成長に良かれと思うことは何でも挑戦して親子で歯を食いしばって走り続けてきました。リハビリ、整体、言語訓練、幼稚園、学校教育、ハロウィックスイミング等々、そしてたどり着いたのが「ボッチャ」です。重度の身体障害者のスポーツということで、私たちは筋ジス協会愛知支部のサマースクールで体験会を開催して、仲間と一緒にボッチャを楽しみました。その後初めてスポーツの競技者として主役を経験したわが子は、ボッチャ競技に魅せられ、仲間とともにこの世界にのめり込んでいきました。
翌年あいち大会には多くの筋ジス仲間が出場するようになり、優勝目指して真剣に戦いを繰り広げました。そんな時代が5年ほど続いたでしょうか…仲間でありライバルである関係を築きつつ成長していく彼らは、とても輝いていました。そんなわが子たちの勇姿に、勝っても負けても感動して目頭を熱くしたのがとても懐かしい素敵な思い出です。
さて今回輝いている人に推薦して頂きましたわが息子髙阪大喜は、愛知から日本選手権を目指すようになり、着々と力をつけていきました。先天性筋ジストロフィーで体幹機能障害、座位不能、増して福山型ですから難しいことの理解力にも残念ながら欠けます。だから日本選手権という大舞台で果たして彼が他の選手と対等に戦えるものか…親としては不安しかありませんでした。が、彼の持てる力は私たちの想像をはるかに超え、持ち前の負けん気と、視覚から吸収する能力で、強い相手と対戦してその経験を糧に競技選手として確実に成長していきました。
2014日本選手権大会BC3クラス第3位、2015日本選手権大会BC3クラス第3位、そして昨年世界選手権北京大会、モントリオールオープン、ドバイオープンに日本代表として参戦し、初めて世界レベルの戦いを見て更に成長して帰国しました。彼の持てる可能性は親の計り知れないところにあったようです。ついに2016日本選手権大会BC3クラス第1位 まさかの日本チャンピョンになったのです。
先日2020年東京オリンピック・パラリンピックの愛知県強化指定選手に認証して頂き、『東京オリンピック・パラリンピックでの活躍を大きな目標に、感謝を忘れず日々のトレーニングに励みます。』と知事にパラリンピック強化選手を代表して誓いの言葉を述べてきました。夢と希望と勇気に満ち溢れた息子は、間違いなく輝いています。
…わが家の輝いている人の夢を叶えてやりたい…どうか身体が持ち堪えますように!…
(母、髙阪 貴美さん)