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シリーズ「輝いている会員の姿」 北海道支部 古田 聖さん

「私の職業」

私の障がいは、脊髄性筋萎縮症(SMA)Ⅱ型です。現在、自宅の一室で行政書士、海事代理士事務所を経営しています。主な取り扱い業務は、契約書づくり、相続手続き・遺言書作成、外国人関係手続き、船舶の登録・登記、船舶の抵当権登記を中心としています。
 一言に相続といっても、いろいろな問題や事情が絡んでいるため、何から手を付けていくかをきちんと整理し確認してから手続きを進めていく必要があります。なかには20数年も前の相続の手続きの依頼もあり、一筋縄ではいかないのが相続手続きの大変なところでもあり醍醐味でもあります。相続の案件は、開始から終了までの期間が、2週間ぐらいで終わることもあれば、半年、1年、それ以上に及ぶこともあります。
 どの分野であっても、手続きを終え、依頼者さんから「ありがとう。」といわれ、その成果として報酬を頂くときが、この仕事のやりがいを一番感じるときです。
 また、開業してから毎月1回、市内のカフェの一角をお借りして、無料相談会を継続的に開催しています。開催当初の1、2年は訪れる人もまばらで、だれ一人来ない日は、大半の時間、本を読んで過ごしていました。何度も、「もうやめよう」と思いながらそれでも続けていくと、協力してくれる先生方が1人、2人と増えていき、いまでは行政書士、司法書士、社会保険労務士を含めて5人体制になり、相談者も増え1人おおよそ30分程度の相談時間というように時間設定をせざるを得ない程の無料相談会になっています。
 私たちの仕事は、原則、依頼の順序に従って仕事をしなければなりません。期限に切羽詰まった案件が入った場合は進捗管理がとても重要です。非常勤のパートさんは1人いますが、外回り営業が中心なので、事務所内での面接、作業をほとんど自分1人でやっています。
 どうしても、書面の作成作業に時間がかかりますので、極力、やり直すことのないように細心の注意を払って書面作りをしています。
 開業当初の頃は、依頼者さんの気持ちをうまく汲むことができず、自分も、目一杯になり、型にはまった話しかできず、依頼者さんの逆鱗に触れ、仕事の途中解約を受けたこともありました。ある案件では、言った言わないの問題で、「これはまずい、訴えられるかも?」といったピンチや失敗も何度か経験しました。
 しかし、今日まで大事に至ることもなく、何とか今年の5月で開業7年目を迎えることができそうです。
 これまで、士業の先生方をはじめ、周りの人達に支えられ、ここまで来ることができたと思います。この感謝の心を忘れることなく、一歩一歩着実に歩んでいきたいと思います。
 最近、新たな分野の開拓のために、以前、勉強していた社会保険労務士試験の受験勉強を再開したところです。仕事と受験勉強の両立はとても苦しいことが多いですが、苦しい分だけに結果が出た時の喜びは倍増します。粘り強く頑張っていきたいと思います。
 千歳市にお越しの際は、是非とも事務所へお立ち寄りください。