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(会員寄稿)オンラインの活用

  • JMDA

手元のノートパソコンでロボットを遠隔操作する中村康祐さんの写真

手元のノートパソコンでロボットを遠隔操作する中村康祐さん

ライブ配信も行われた奈良医療センターの第11回ロボまつりの写真

ライブ配信も行われた奈良医療センターの第11回ロボまつり

 

「オンラインの活用」

 

奈良医療センターに入所する私は、療育指導室の開放時間の中で限られた時間しか座位保持での活動が出来ません。オンラインを活用してリモート操作すれば、体調の制約で療育指導室に行けなくても病室で安静しながら活動が可能になります。

 このリモートソフトを知ったのは、某ソフトウェア会社のメールニュースに「外出先から自宅のPCが使える」の宣伝でした。いつも年賀状の作成方法をメールのやり取りで父に教えていたけど、このソフトがあれば私が病室から自宅のPCを操作して父に教えられると思い導入することにしました。

 それから数ヶ月後に3Dプリンターもこの方法をとれば繊細な造形も作れると気付きました。ロボットサークルで組み立てた3Dプリンターは、熱溶解積層方式で繊細な造形になると7時間15分程掛かり、集団活動室の開放時間までに造形が完成して片付けが出来るようにするには、午前中の安静時間から始めなくては間に合いません。その為、始めの頃は車椅子に乗車する昼食前に出力開始して、5時間程で出力可能な造形しかやっていませんでした。

 この3Dプリンターをどのようにリモートで操作しているか、簡略に説明します。病室のPCから、遠隔操作ソフトとSkypeを同時に集団活動室のPCに接続します。まず、Skypeで集団活動室におられるスタッフに指示して、3Dプリンターに材料の(ワイヤー)セット、材料(ワイヤー)が出力中に絡まらないかの確認などをして貰います。続いて、私が3Dプリンターと接続されている集団活動室のPCを遠隔で操作して、造形の印刷を実行します。その集団活動室のPC画面に表示される3Dビューが病室のPCからも見られるので、集団活動室に居なくても造形の進捗状況の確認が可能です。それだけでなく、集団活動室に来られないメンバーに向けて、遠隔操作でライブ配信(限定公開)が出来るように操作します。

 2019年末頃より、新型コロナウイルスが中国の武漢市を中心に出現し、日本にも広まり2020年2月26日から奈良医療センターでは、面会制限が始まりました。私は、この時から新しい生活様式に向けて必要になってくる物はないか調べておりました。ビデオカメラをWEBカメラ化するリモート機材を見た瞬間、YouTubeやSkypeを活用してイベントが行えると思いました。その機材を使用して2020年8月のロボットサークルの時からライブ配信(限定公開)を行うようになりました。

 今年の7月28日に第11回ロボまつりを感染予防対策もとりながら、ライブ配信(限定公開)で行いました。「ロボットの対戦型の試合は見応えがあり、スタッフの方が実況中継してくださっていたので、臨場感があふれ、その場に実際にいるかのような気持ちになりました。」と視聴者からの感想を頂いております。

 今こうして、ゲーム対決(少人数)・サークル活動・個別活動・他病棟とのオンライン交流・リモート面会・オンラインイベントが出来るのも療育指導室をはじめ病院サイドの支援そして、オンライン環境のお陰です。これからも奈良医療センターで療養しながら、楽しい日々を送りたいと思っております。

 

(以上、ホームページ運用チーム)