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遺伝子治療の取り組み

筋ジストロフィーの治療薬開発は、世界中でいくつもの方法で進められています。

デュシェンヌ型にエクソンスキップの手法を用いる核酸医薬品はその一つで、現在日本では、治療薬として発売へ最も近い位置にいます。開発する製薬会社は、日本新薬と第一三共の2社です。ただこれらの薬も、筋ジス患者すべてを対象にするわけではなくデュシェンヌ型の一部に向けたもので、まだ根本的な治療薬とは言えません。

ニュース(筋ジス次世代医薬品、安全性を確認 日本新薬、19年販売へ)(外部のサイトを開きます)

 

核酸医薬品よりもっと幅広い患者を対象に、より理想的な治療法とされるのが遺伝子治療です。今年6月にアメリカのサレプタ社が、中間報告ながら筋ジス治療薬の効果があったことを報告しました。

ニュース(筋ジストロフィーの遺伝子療法、米国で治験始まる)(外部のサイトを開きます)

 

その遺伝子治療に関して、アメリカの政府機関で薬の審査、認可を担当するFDA(食品医薬品局)が今年7月、長官声明を発表しました。一言でいうと、遺伝子治療薬の実用化を推進するという内容です。FDAは昨年、3件の遺伝子治療薬を承認しています。2022年までに40件近い遺伝子治療薬が新たに販売されるという推計もあり、遺伝子治療に対する関心がアメリカで大いに高まっています。

さて、日本では遺伝子治療薬(筋ジスではない)が年内に初めて認可されるかどうかという状況です。エクソンスキップ治療薬に期待がかかる一方で、遺伝子治療薬の開発促進も待たれていました。そうした中で、来年度の予算編成に向けて、日本政府も遺伝子治療に本格的に取り組むことが先月末に報じられました。

ニュース(政府、遺伝子治療の実用化推進 研究支援や規制緩和で)(外部のサイトを開きます)

■米FDA長官声明

原文は、英語です。「グーグル翻訳」を使った仮訳で、最初の1段落だけ紹介します。

いったん理論が成立すれば、遺伝子治療は現在、一部の患者にとって治療上の現実的なものとなっている。 これらのプラットフォームは、最も扱いにくくて厄介な病気のいくつかを治療し治療する可能性があります。 これらの製品をどのように開発し、規制当局によってレビューされ、払い戻されるべきかについて我々が構築する政策枠組みは、この新しい市場の継続的な発展のための舞台を確立するのに役立つだろう。 昨年、我々は、これらの治療法のスポンサーが利用可能な、早急治療指定および再生医療先進治療(RMAT)指定などの迅速なプログラムを記述するガイダンスドラフトを含む、再生医療に関する包括的な政策枠組みを発表した。今日では、遺伝子療法の開発、レビュー、承認の補完的枠組みを発表しています。

Statement from FDA Commissioner Scott Gottlieb, M.D. on agency’s efforts to advance development of gene therapies(外部のサイトを開きます)

 

下は、今年5月に発売された遺伝子治療に関する専門書です。研究者、医療関係者向けですが、ご参考に。筋ジストロフィーについても取り上げています。

「遺伝子治療の新局面」(医歯薬出版)(外部のサイトを開きます)

 

(以上)