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検査上の鑑別点

筋肉の病気が疑われたときはまず血液検査をします。その中で一番重要なのは血清クレアチンキナーゼ(creatine kinase:CKあるいはCPKともいわれました)値です。正常では300単位(IU/L)以下です。この値が高くなるのは筋細胞が壊れる(壊死)しているときです。筋ジストロフィー、筋炎、激しい運動後に高くなります。血液や髄液の乳酸値の上昇があれば、ミトコンドリア病(脳筋症)を強く疑います。激しい運動をすると筋肉が痛くなったり、痙攣、こむら返りをおこす病気があります。そのような病気ではグリコーゲンの代謝異常があることが多いのです。患者さんに運動をしてもらっても、乳酸値が上昇しないので、診断に役立ちます。

筋電図検査は神経原性、筋原性疾患の鑑別に一番大切な検査です。神経原性の場合は高電位(high voltage)で、幅が広い(long duration)いわゆるgiant spikeをみ、最大収縮でも干渉波に移行しません。逆に、筋原性では低電位、低振幅波(low voltage,short duration NMU)を認め、干渉波に移行しやすい傾向にあります。神経伝導速度が遅れるときは、末梢神経が侵されている指標となります。

筋肉のCT(コンピューター断層撮影)、MRIは筋疾患の診断にとても役立ちます。神経原性疾患では筋肉が細くなるのがよく分かります。筋原性疾患では、筋肉の中の筋細胞が減って、そこを脂肪とか結合組織が埋めるので、筋肉は虫食いのようにみえます。その虫食いの程度をみて、どこまで病気が進んでいるか判断します。筋肉のMRIでは炎症しているところがよくみえるので筋炎の診断に役立ちます。