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Ⅰ章 筋原性疾患と神経原性疾患について

筋肉は神経の命令によって動いています。脳からの命令は脊髄神経(前角細胞ともいいます)に伝えられ、それが末梢神経を介して、筋に到達します(図1)。

図1

図1:神経と筋肉の関係

神経と筋とを結びつけているのは神経筋接合部とよばれます。筋肉そのものに原因があって、筋肉が萎縮したり、力が弱くなったりする病気は筋原性疾患(ミオパチー:myopathy)とよばれています。代表的な疾患が筋ジストロフィーです。脊髄前角細胞と末梢神経が侵されても筋肉は萎縮し、力が弱くなります。神経に原因がある疾患を神経原性疾患(ニューロパチー:neuropathy)とよんでいます(表1)。筋肉の病気はよく神経・筋疾患と総称されています。

表1:主な筋原性疾患と神経原性疾患

筋原性疾患 神経原性疾患
  • 筋ジストロフィー
    • デュシェンヌ型
    • ベッカー型
    • 先天性
    • 肢帯型
乳児脊髄性筋萎縮症(ウェルドニッヒ・ホフマン病)
先天性ミオパチー シャルコ・マリー・ツース病
  • 代謝性筋疾患
    • ミトコンドリア病
    • 糖原病
先天性ミエリン形成不全症
  筋萎縮性側索硬化症

神経原性疾患と筋原性疾患では症状がどのように違うのか説明しましょう。