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筋ジストロフィーってどんな病気ですか?

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筋ジストロフィーってどんな病気?

筋ジストロフィーは、身体の筋肉が壊れやすく、再生されにくいという症状をもつ、たくさんの疾患の総称です。平成27年7月から、指定難病となっています。
我が国の筋ジストロフィーの患者数は、約25,400人(推計)です。

【出典】
厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会(第7回)(平成27年2月4日) 資料(外部のサイトを開きます)
(資料1-2)指定難病として検討する疾患)(外部のサイトを開きます) (PDF)(該当部分のみ)(外部のサイトを開きます)

筋ジストロフィーの原因は?

人は皆、遺伝子(身体の設計図)の中にたくさんの変異を持っています。何も表に現れない変異が大半ですが、いくつの変異は、筋ジストロフィーという症状になって現れます。

似た症状で変異箇所(責任遺伝子)が異なる例、同じ変異を持っていても症状が異なる例がある一方、現在も変異箇所(責任遺伝子)が同定されていない例も多くあります。

いつ頃から、どんな症状が出るの?

症状が出始める年齢や、症状の出やすい場所は、疾患によって様々です。筋力の低下によって身体を動かすことが難しくなったり、呼吸・飲み込み・血液循環等に機能障害が出たりします。

疾患によっては、内臓・目・耳・脳などに機能障害や合併症を伴うものもあります。

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  • 治す方法はあるの?

    令和2年5月、日本初の筋ジストロフィー治療薬(ビルトラルセン、ビルテプソ)が発売されました。これはデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の1割弱のタイプの患者さんに効果があります。
    ほかのタイプやほかの病型についても、近年の医学の進歩はめざましく、新薬の開発が着々と進められています。また、筋疾患以外のために開発された既存薬が筋ジストロフィーに良い効果をもたらさないか、という研究も進められています。

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    研究動向については、筋ジストロフィー(神経・筋疾患)患者登録サイトRemudyの最新医療情報(外部のサイトを開きます)からご覧になれます。

    筋ジストロフィーは人数の少ない疾患なので、治療法開発研究にも、対症療法の研究にも、症例数が不足しがちです。これらを解決するため、現在、複数の筋ジストロフィーで医学情報登録が進められています。

    対症療法はあるの?

    筋肉、呼吸、飲み込み、循環(心機能)等、それぞれの症状について、対症療法が行われています。症状によって必要なケアが異なりますので、専門医、専門機関としっかり連携をとることが大切です。

    適切なケアを駆使して、体調を良い状態に保ち、生活を楽しみましょう。

    骨格筋(身体を動かす筋肉)の症状に対して

    筋力トレーニングは却って筋肉を痛めてしまうため勧められていませんが、専門家の指導のもとで、適切な負荷での運動を続けることは重要です。また、早い時期から関節可動域訓練(ストレッチ)を行うことで、しなやかさを保ち、身体の変形や痛みを防ぐことが期待されます。

    また、そくわん(いわゆる背骨の変形)は座れなくなったり呼吸にまで影響したりという影響があるため、整形外科で手術も行われています。

    ステロイド(喘息やアレルギーで使う薬です)が有効と証明され、保険適応となっている疾患もあります。

    呼吸に対して

    肋骨周辺の筋肉をしなやかに保ち、肺を健康な状態に保つために呼吸理学療法を行います。呼吸機能が低下しはじめたら、マスク型の呼吸器や排痰補助装置の力を借ります。どちらも保険適応となっています。

    飲み込みに対して

    飲み込む力に合わせた食形態で水分や栄養をとります。食べ物や飲み物が、食道ではなく気管に入ってしまうと、誤嚥性肺炎につながり大変危険です。(筋力が落ちると、唾液などが気管に入ってもむせる反応が出にくく、誤嚥に気付きにくいことがあります)

    飲み込む力が低下し始めたら、経鼻胃管や胃ろうを使い、胃に直接栄養を届けます。胃ろうで必要な水分・栄養を摂り、口からは楽しむための食事をする、という併用をしている人も多くいます。

    循環(心機能)に対して

    心臓も筋肉ですので、血液循環の力が低下することがあります。運動する筋力が落ちていない期間に心機能が落ちる例もありますので、定期的な検査を行い、適切な運動量、投薬、ペースメーカーの利用を行います。

    本人が気をつけること

    疾患によって、気をつけることが異なりますが、共通のものをご紹介します。

    呼吸器感染

    咳をする力が弱いため、風邪が重症化したり、長引いたりします。普段の体調管理に加え、不調の際は早めに受診する等の工夫が必要です。

    転倒・怪我

    運動量が少ないため、もともと骨が細く弱い傾向があります。怪我をして動けない期間を作ると、症状の進行に繋がるので、環境を整え、事故を防ぎます。

     

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